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2011.02.14
八尾市、児童が描いたロボを実現するプロジェクト開催、留守番ロボが本物に

 八尾市と八尾市教育委員会、八尾市校長会、マテック八尾 ロボット分科会などは12日、市内の小学5年生と6年生がデザインしたロボットを実現する「子ども夢実現プロジェクト」の審査結果を発表し、大正北小学校の小林瑞季さん(写真で黄色いロボットを手にする子)が描いた留守番ロボット「RURO(ルロ)」を大賞に選出。併せて、マテック八尾が製作した実物のRUROを披露した。対面した小林さんは「本当にお留守番をしてくれそう~」と、その完成に喜んだ(動画)。市内の生涯学習センターに常設するほか、市内の小学校での出前授業でも活用する。

ruro1.JPG  市内のモノづくり企業グループのマテック八尾 ロボット分会会が、地元の児童が描いたロボットを本物のロボットにし、夢を叶えるというプロジェクト。同分科会は「八尾市からお茶の水博士を育てよう!」を合い言葉に、2005年よりロボット教室を開催するなど人材育成に力を入れており、その一環として実施した。
 昨年4月に立ち上げ、9月に審査を行い、開発に着手した。八尾市から同分科会に製作依頼がなされるかたちで藤原電子工業が開発を担当した。八尾市が用意した開発予算は100万円。不足分は、同社が工面して完成させた。

 RUROは、高さ60cm、幅30cmの3頭身のロボット。留守番を行うための機能は実際には搭載していないが、身振り手振りを交えての挨拶や簡易なダンスが行える。デザイン画では車輪移動だったが、よりロボットらしく見せるため2足歩行タイプにした。静歩行により、ゆっくりと前進することができる。サーボモータには、近藤科学の「KRS-4024HV」を使用。首部に2個、両肩に搭載するほか、腰を振るような動作ができることを考慮すると下半身にも2~3個を搭載していると推定される。

 そのほか各賞も発表し、地震予知をするロボットやネコ型ロボット、水やりをするロボットなど創意工夫を凝らしたロボットが選ばれた。今回の応募総数は1,618点に上り、介護などの生活支援のほか、農作業支援、環境に寄与するロボットが多く提案された(写真下)。
  開発を担当した藤原電子工業では現在、RUROに実装したコミュニケーション機能をベースにロボット開発を検討している。藤原義春社長の家族が経営するレストランに防犯機能も備えたロボットを設置する予定。そのほか企業や自治体から開発の依頼があれば対応することを検討している。

ruro2.JPGruro3.JPG

  同分科会は、ロボット教室のほか、独自企画のロボコンやロボット博の開催、市内の施設に納品したロボットなどを通じて、地元住民を広く巻き込んだかたちでロボットやモノづくりへの関心を喚起している。まだ緒に付いたばかりだが、近くの工業高校への進学を希望する子供や地元企業への就職を希望する学生が現れるなど、地元への人材の流れが形成されつつある。2年前には大手自動車メーカーのロボット開発部への就職が内定していた学生が藤原電子工業への就職を希望するという出来事があった。

動画 子ども夢実現プロジェクトの発表の様子。八尾ロボコンなどを実施する「八尾ロボットフェア2011」の中で発表した。司会は地元のFMちゃおが担当している。

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