富士経済は7日、産業用およびサービスロボットの市場動向を発表し、産業用ロボット市場(世界市場)は、2010年は対前年比69.0%増の3,618億円、2013年には2010年比1.4倍となる4,996億円に拡大すると予測。一方、サービスロボット市場(国内市場)は、2010年は同1.7倍の113億円とし、2020年には同5.8倍となる650億円に拡大すると予測した。
今回の調査は、産ロボは「溶接・組立系」「組立・搬送系」「アクチュエータ系」「クリーン搬送系」の4分野、計16品目を、サービスロボは「家事/生活支援」「医療・介護・福祉」「業務」「農業」の4分野、計14品目を対象に実施した(末尾参照)。産ロボ市場にはロボット用ケーブルやサーボモータなどの「構成部材」も含まれる。
産ロボ市場は、2009年の不況の影響により2008年比で40%以上縮小したが、2010年は一転して前年比69.0%増の3,618億円に回復。2008年並みの水準に戻った。自動車関連およびエレクトロニクス関連分野で設備投資が再開されたことと、中国市場で人件費の高騰を背景に、ロボットによる自動化が急速に進展したことを要因に挙げている。
2013年には、日本や欧米市場の緩やかな回復とアジア市場のさらなる成長を見込み、2010年比1.4倍となる4,996億円になると予測した。
個別のロボットで見ると、アーク溶接ロボットは、2010年は対前年比2.2倍の633億円、2013年は2010年比1.3倍の813億円に拡大すると予測。安川電機の双腕ロボット「MOTOMAN-SDA」シリーズを含む垂直多関節ロボットは、2010年は同1.4倍の41億円、2013年は同3.1倍の129億円、パラレルリンクロボットは、2010年は同1.6倍の64億円、2013年は同2.7倍の172億円に拡大すると予測した。
サービスロボ市場は、掃除ロボットを含む家事/生活支援が牽引し、2010年は対前年比73.8%増の113億円に拡大した。内訳は、家事/生活支援が59%、医療・介護・福祉が30%、業務が11%となった。医療・介護・福祉では手術ロボットが市場を牽引。2009年11月28日にジョンソン・エンド・ジョンソンの日本法人が薬事法の承認を得た(日本地区の販売総代理店はアダチ)ことから、対前年比8.9倍の25億円に急拡大し、掃除ロボットに次ぐ市場規模となった。2020年にはサービスロボ市場全体で、2010年比5.8倍の650億円になると予測した。
個別のロボットで見ると、手術ロボットは、2010年は上述の通り対前年比8.9倍の25億円、2020年には2010年比9.6倍の240億円に、パワーアシスト・増幅スーツは同1.5倍の7.7億円、2020年は同22.7倍の175億円に拡大すると予測した。
手術ロボットについては将来的な保険適用により患者負担が軽減され、さらなる需要が見込まれることを、パワーアシスト・増幅スーツについては介護福祉やリハビリ用途に加え、重量物の搬送や工事および災害現場など様々な場面での潜在需要が高く、研究段階のシステムが実用化されることで市場拡大が見込まれることを理由に挙げた。
なお農業ロボットについては、特に収穫ロボットは2015年頃から市場が顕在化すると予測した。
●産業用/サービスロボット市場(2010年、2013年予測)
(2010年) (2013年予測)
産業用ロボット世界市場 :3,618億円(対前年比1.7倍) 4,996億円(2010年比1.4倍)
サービスロボット国内市場 : 113億円(対前年比1.7倍) 650億円(2010年比5.8倍)
●調査対象分野と品目
《産業用ロボット》
・溶接・塗装系:アーク溶接ロボット、スポット溶接ロボット、塗装ロボット、バリ取りロボット
・組立・搬送系:スカラロボット、小型垂直多関節ロボット、垂直多関節ロボット(スリム・高速・双腕タイプ)、パラレルリンクロボット、卓上型ロボット、パレタイジングロボット、取り出しロボット
・アクチュエータ系:単軸ロボット、直交ロボット、電動スライダ
・クリーン搬送系:ガラス基板搬送ロボット、ウエハ搬送ロボット
・構成部材:ロボット用ケーブル、精密制御減速機、ロボット用サーボモータ
《サービスロボット》
・家事/生活支援:掃除ロボット、セキュリティロボット、ホビーロボット
・医療・介護・福祉:パワーアシスト・増幅スーツ、セラピーロボット、手術ロボット
・業務:荷役・搬送ロボット、水中作業ロボット、受付・案内ロボット、ヒューマノイドロボット、施設点検ロボット、レスキューロボット、業務用セキュリティロボット
・農業:収穫ロボット
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第1回 2008~2009年の産業用ロボット市場の動向は?
第2回 期待大のパラレルリンクロボットとこれからの産業用ロボット業界
第3回 これからのサービスロボット市場の方向性
►コラム「富士経済アナリストが斬る!ロボット市場の実情」(計12回掲載)


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