国際レスキューシステム研究機構(IRS)は、レスキュー工学を担う若手研究者、技術者を奨励する「第6回 竸基弘(きそいもとひろ)賞」の受賞者を発表した。学術業績賞に京都大学の中西弘明講師、技術業績賞に千葉工業大学の青木岳史准教授、また、技術貢献賞に米国立標準技術研究所(NIST)のAdam Jacoff (アダム・ジャコフ)Robotics research engineerを選んだ。授賞式と記念講演は1月14日に行う。
中西氏の受賞テーマは「自律型無人ヘリコプタの開発とその防災・災害対応活動に関する研究」。飛行型レスキューロボットシステムの実現を目的に、自律型無人ヘリコプターに関する研究開発を実施。飛行制御の信頼性の向上に向け、風向・風速や機体運動方向に応じて適応的に方位角制御を行う方法を示し、その有効性を確認したことなどが評価された。
青木氏の受賞テーマは「組合せ可能なユニット型空圧ピラーの開発」。拡張作業を行う対象物の大きさに応じて複数個のユニットを組み合わせて作業が行える空圧ジャッキ「ユニット型空圧ピラー」を開発。上下天板を平坦に維持したまま受圧面積が一定となるよう円筒型に膨張する同ピラーは、組み合わせて利用することにより対象物に合わせた拡張作業ができ、軌道の確保にも活用することができる。レスキュー隊員による実証実験の実施など、実用化に向けた取り組みが評価された。
Jacoff氏は近年、レスキューロボットのパフォーマンスを評価するための標準化テスト手法についての研究に従事し、米国土安全保障省が推進するレスキューロボットの標準化テスト手法に関するプロジェクトの取りまとめを行っている。また、「ロボカップレスキューリーグ」でリーダーも務めており、同リーグが実施されるフィールドでは同手法が適用されている。同手法を通じて、世界中の研究者がロボットの運動性能を競い合い、技術レベルの向上を図っていることに象徴されるように、世界中のロボット技術者との連携により技術発展に寄与していることが評価された。
競基弘賞は、1995年の阪神淡路大震災で亡くなった同氏の意志を継ぎ、その夢の一部でも実現することを期し、また、6,000名以上の亡くなられた方々を忘れないために、10年を経た2005年に創設された。松野文俊IRS副会長が神戸大学在職時(現京都大学)に指導した同氏は将来、「ドラえもんのような人を癒し助けてくれるようなロボットを作りたい」との夢を語っていた。
2009年度からは「レスキューロボットコンテスト」「計測自動制御学会 SI部門」の参加学生を対象にした「奨励賞」を、2010年度からは「ロボカップジュニア レスキューチャレンジ」参加者を対象にした「奨励賞」も開始している。
【関連サイト】
►レスキューロボットコンテスト
►第10回 レスキューロボットコンテスト ダイジェストビデオ
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