サービスロボット

2011.01.31
早大とトヨタ、人とロボが対等な関係で円滑にすれ違うための基本技術を開発

 早稲田大学とトヨタ自動車は、人型ロボットと人間が対等な関係として円滑にすれ違うための基本技術を開発した。ロボットは外観センサの情報をもとに双方の位置関係を認識し、すれ違い時の優先度を判断する。ロボットと人が譲り合ったり、わずかに接触してすれ違ったりするなど、状況に応じてロボットが人に通路を譲るよう促す。一般的には安全性を確保するために、ロボットは人に近づくといったん停止したり、接触を避けるために回避行動をとったりする。すれ違いに限らず、人とロボットとの関係性を考えるうえでも新たな技術として注目される。

twendy-one.jpg 人と共存環境下での運用が期待される生活支援ロボットなどに実装すれば、より効率的な移動や、より安全で、かつ自然な共存が見込まれる。2013年はじめには優先判断などの基準を整備し、生活支援ロボットなどが行動する際の基礎技術として確立したい考え。

  移動ロボットに関する研究では、ロボットが人に接触するとケガを負わせる危険性があるため通常は、回避させるようにしている。例えば人とすれ違う際は、検出した人とすれ違うタイミングで位置を予測して回避ルートを選択するような制御を実装している。ただし、ロボットがいったん停止して人をやり過ごしたり、大きく人を避けて移動したりするため、時間を要するうえ広いスペースが必要になる(*)。これに対し、狭所で人同士が身体を少しずつずらして、すれ違うような動作を行えるようにする。

 早大の菅野重樹教授らは、生活支援などが行えるロボットの実現に向け、狭所でも効率的に行動できるロボットの研究を進めている。その1つとして、ロボットの大きさと人間の行動学、接触時のリスクなどのデータから、より円滑なすれ違い方の制御方法を検討している。
 ステレオカメラや超音波センサなど外観センサから得た情報をもとに人が荷物を持っているか、急いでいるかなどを判断。状況に応じたすれ違いの方法を選択させる。接触時の安全性が確保できれば、生活支援ロボットの行動全般がスムーズに行えるようになる。

 菅野研究室が開発した、成人女性並みの体格寸法を備え、かつ全方向移動台車を採用する人間共存型ロボット「TWENDY-ONE」で基礎技術を検証した。1.8m幅の通路での実験で、安全な範囲で接触しながらすれ違うことを確認。さらに、ロボットが人に隙間を空けるよう働きかけて双方が円滑にすれ違うことにも成功した。

【注釈】
*:例えば「すれ違い・回避行動機能」を実装した、ホンダの新型「ASIMO」(2007年12月発表)では、近づいて来る人を頭部のアイカメラで捉えて進行方向と速度を割り出し、その後の動きを予測しながら人の動きを妨げない進路をとる。予測される動きを移動範囲として持たせており、これにより突然、人が進行方向を変えても回避することを可能にしている。また、日立製作所の「EMIEW2」は、人とすれ違う行動パターンを移動制御に取り入れており、レーザレンジファインダで検出した人とEMIEW2がすれ違うタイミングでの位置を予測して回避ルートを決定している。


【関連記事】
村田機械、国プロで開発中の自律搬送ロボ、本体内に収納・搬送する方式へ (2010/09/18)
日立プラント、走行ガイド不要の自律搬送車を披露、日立・基礎研がSLAM提供 (2010/09/16)
日立、案内や巡回監視に向け走行性能と音声認識を強化したEMIEW2公開 (2010/06/23)
日産、群走行するロボカー披露、UWB通信で誤差5cmにて他の位置を推定 (2009/10/07)




好評連載がついに書籍化!


―東大研究者が描く未来―


国内外の事業例を解説


消費者が描く未来生活を紹介