インタビュー

2011.01.05
中国での需要は伸長し続けるはずだ、安川電機・津田純嗣社長

 昨年は海外市場、特に中国や、アジア、中南米といった新興市場における新規需要を受け、急速に回復した産ロボ市場。引き続き、2011年も中国の産業用ロボット需要は伸びるのか―。スポット溶接や液晶搬送装置などの産ロボ市場で世界シェアトップを誇るの安川電機の津田純嗣社長に聞いた。

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―2011年も産業用ロボット需要は堅調に推移しそうですね。

 「地域や市場によってまだら模様だが、全体的に回復基調が鮮明になっている。自動車関連は底堅い。中国を中心に生産の自動化が進み、需要も伸びるだろう。中国市場が牽引し、欧米も堅調に推移する。金額ではピークに戻っていないが、台数ではピークに近づいている」

 「この背景には産業用ロボットを使ったシステム構築を手がけるシステムインテグレータ(SI)の存在がある。例えば欧州ではこの10年間で生産の自動化が進んだ。自動化ニーズは2008年秋のリーマン・ショックでいったん後退したが、再び大きな流れになりつつある。産業用ロボットは自動車製造以外の分野に広がってきた。ピッキングやパッキング、パレタイジングでの用途が伸びている。当社では従来、北京市にだけSIを置いていたが、上海にも新設して現地顧客を開拓する体制を整えた。新規受注もある」

―特に中国市場の勢いが続きそうです。
 「中国メーカーは自動化に本気で取り組もうとしている。人件費の高騰はもとより、就労環境の改善を望む声が高まっているからだ。3K職場が敬遠され、作業員が定着しなくなっている。当社でもサーボモータやインバータの需要が想定を上回り、生産が追いつかない状況のため、設備増強を急いでいる。海外生産比率は全体で現在20%だが、中国需要などを受けて2012年までに30%に引き上げる」

―日本でも自動化はテーマの1つですね。
 「自動車生産以外ではロボット化が遅れているのが実情だ。ロボットを使い切る発想で工場をプランニングできる人材が少ないことが課題になっている。このため当社では2011年中にこうした人材を育てるための専門施設を首都圏に新設する予定だ。食品や物流業界にロボットを浸透させたい。広い業界に普及させるためには国や地方自治体が導入を補助するといった支援も必要になるだろう」

―サービスロボット市場の成長も期待されています。
 「人が安心して暮らすための道具としてロボットがもっと活用されるべきだと思うが、市場の形成には時間がかかる。法律や環境を整備する必要があり、官民で一体になって取り組まなければならない。大企業だけではなく、たくさんの企業や団体が集まり、知恵を出し合って開発することも重要だ。当社も開発者にコンポーネントを提供して後押しする。新産業を生み、好循環させたい」


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