サービスロボット

2010.06.08
愛工大など、自己復元機能を持つ倒立二輪型ガイドロボ、9月のロボ学会講演会で公開

08aikodai.png 愛知工業大学の奥川雅之准教授は、岐阜工業高等専門学校竹田設計工業などと共同開発している倒立二輪タイプの「ツアーガイドロボット」の試作機(写真はモックアップ、デザインは大阪芸術大学の中川志信准教授)を、9月23日の「第28回 日本ロボット学会学術講演会」の一般公開で披露することを明らかにした。独自機構となった倒立二輪機構の重心および配置検討や制御方法の検証などを進め、一般公開に備える。また、岐阜県各務原市の「かかみがはら航空宇宙科学博物館」と連携しての実証実験や県内企業との製品化にも取り組む。

 同ロボットは、科学館や博物館などで来場者とインタラクションをしながら展示物の案内をするロボット。スタッフによる遠隔操作で稼働し、またスタッフと連携して案内サービスを行う。リモートブレインを採用しており、画像処理や音声認識などは外部PCで行う。来場者にはタブレットPCやヘッドセットカメラを提供し、これらを介してのインタラクションも想定している(写真1写真2)。

 移動機構には、奥川准教授が岐阜高専在席時に本質安全を念頭に考案した、自己復元機能を有する倒立二輪を採用。重心位置を回転中心より下方に配置することで生じる復元力により倒立を維持する機構で、ダルマや起き上がり小坊師のように、横方向から強い力が加えられても電源を遮断しても倒立し続けることができる。
  同機構の採用に伴い、一般的な倒立二輪と異なり、加速度センサとジャイロセンサで本体の姿勢角を計測している。姿勢角に関する定常偏差や、傾斜路や段差乗り越え時に静的な姿勢変化などが生じ、ジャイロセンサ単独での計測が難しいからで、外乱推定オブザーバを応用したセンサフュージョンにより姿勢角を検出する。

  昨年末の「計測自動制御学会(SICE)システムインテグレーション部門講演会」にて、高周波での振動では姿勢角の変化以外の動きを加速度センサが計測し、推定に影響を与えるといった課題を示していた。「凹凸のある路面では姿勢角の変化以外を動きを顕著に捉える」(奥川准教授)とのことで現在、様々な方法を検討しているという。
 また、機構についても見直しを進めている。同機構の採用により、傾斜路や段差乗り越え時に本体が傾いてしまうからで今後、重心検討および配置検討を進め、一般公開に備える。

 なお同ロボットの開発は、岐阜高専地域連携協力会の「ツアーガイドロボット開発推進委員会」として取り組んでおり、ここで培った各種要素技術や設計手法、生産技術は可能な限りオープンにすることを予定している。さらには開発コミュニティを形成し、開発成果をプラットフォームに実用的なサービスロボットの開発に結び付けることを目指している。現在は、「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発支援事業)」の採択プロジェクトとして開発している。

08aikodai_2.png 写真1 ツアーガイドロボットのイメージ。リモートブレインを採用しており、画像や音声などは外部PCで処理する。来場者にはタブレットPCやヘッドセットカメラを提供し、これらを介したインタラクションも行える。
08aikodai_3.png 写真2 ツアーガイドロボットのシナリオのイメージ。作成したのは大阪芸術大学ロボットデザイン研究会。



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