RT(Robot Technology)要素

2010.05.31
ゼネラルビジョン、ニューラルネット実装の独自チップを水質改善プラントの自動制御に適用

31gvap.jpg  ゼネラルビジョン・アジアパシフィック(GVAP)は、同社が扱う米General Vision社製ニューラルネットワークチップ「CM-1K」(写真左、右は同チップを実装した汎用ボード)が、パートナー企業のイースピリッツが開発した水質改善プラントの自動制御に適用されたことを明らかにした。各種センサで取得した環境情報を同チップに記憶・学習させ、環境の変化や装置の状況を自動的に判別してプラントを制御する。イースピリッツとはデジタルサイネージや電子メールの監視への適用にも取り組んでいるが、それ以外の研究機関でも応用研究がなされており、これらを通じて同チップの用途の拡大を図る。

 CM-1Kは、実装した計1,024個の「ニューロン」の並列計算により高速処理が行えるのが特徴。同社ではニューロンと表現しているが、1個当たり256bitのベクトルデータを記憶・学習したもので、後から与えられたデータとマッチング処理するを行うことで結果を出力する。
 学習アルゴリズムとしてRadial Basis Function(RBF)とK-Nearest Neighbor(K-NN)を実装しており、処理内容に応じてこれらを使い分けている。これらをハードウエアとして実装しており、かつ同期して並列計算が行えるため、ソフトウエア処理では難しい高速処理が行える。記憶・学習できるカテゴリは、理論上では1万6,000まで対応できる。

 画像処理での用途が多いが、ベクトルデータとして記憶・学習させればよいため、音声や振動・音響、温度・湿度、テキストなどの処理にも対応できる。適用した水質改善プラントはオゾンや微生物を利用して汚れを分解するシステムで、phセンサや水温センサ、導電率センサ、濁度センサなどの情報をもとに水の汚染度合いなどを記憶・学習させておき、プラントの運用時は、これらのセンサ情報から汚染度合いを判別してポンプを自動制御する。

  同チップを搭載した汎用ボード(写真右)やCMOSカメラを実装した画像認識ボードは、20万円弱の低価格で提供している。例えば、2009年2月にパナソニック電工がニューラルネットワークを応用した音・振動検査装置は、価格が800万円もする。低価格で記憶・学習、処理できることを1つのウリに様々な用途に展開していく。「果実や野菜の熟度判定など、すでにロボット以外の応用研究が拡大している」(松山恵介社長)という。

  米General Visionは、世界で初めてニューラルネットワークを実装したチップを開発したファブレス企業。GVAPは、2008年12月にロボソート合同会社として設立した企業で、2009年に2月に米General Vision社の日本・アジア地域における独占販売代理店となり、2010年2月より現社名へと改称している。

31gvap_2.jpg 写真 顔の認識に利用した例。画面の右側に表示されているのは顔を記憶・学習した際に変換されたベクトルデータ。その記憶・学習に5ニューロンを利用している。

■関連サイト
2009.02.12 パナソニック電工、ニューラルネットを用いた音・振動の自動検査装置を開発
http://www.robonable.jp/news/2009/02/20090212-e7f0.html




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