近年、市場の成熟化に伴い、製品およびサービスのカスタマイズ化が進んでいる。単にカスタマイズするだけではなく個々人に合わせたトータル価値の提供が求められており、それに伴い、顧客とともに顧客価値を『共創』することの重要性が叫ばれつつある。
これまでは、製品を販売した後やサービスを提供した後にアンケート調査などを実施し、使い心地をはじめとする顧客の要求を把握することで製品に反映させてきた。こうした活動も『共創』と表現していた。
しかし最近は、RFIDや各種センサ(ユビキタスセンサ)、画像処理技術や感情認識技術など、センサを中心とするRT(Robot Technology)の発展により、顧客の状況をつぶさに把握して、リアルタイムに提案をしたりサービス内容を変更したりすることが可能になってきている。本当の意味での『共創』(*1)が実現しつつある。このような顧客価値の共創に寄与する“見える化”に、RTの重要な役割があることを、4月特集にて触れた(PART3 顧客価値の共創にこそロボットやRTの役割がある -私が考えるロボットビジネスの本命-)。
今月の特集では、その論考をより進めるべく、各種RT要素を利用した顧客状況(現場状況)の“見える化”を通じて、リアルタイムかつリッチなサービス提供を可能にした事例を取り上げる。そして、このような“見える化”にRTの役割を埋め込むことにより、その価値を高められることを示す。
また、“見える化”やマーケティング情報の取得に役立つ各種ソリューションも紹介する。
*1:サービスサイエンスでは、顧客価値は顧客の関与により次の4つのフェーズに分けられると考えられている。提供者側からの製品やサービスの「提供」のフェーズ、顧客価値をより意識して製品やサービスの内容、提供の仕方を調整する「適合」のフェーズ、顧客とともに新しい価値を創造する「共創」のフェーズ、顧客が最初から自発的に趣味やボランティアを狙いとして価値を創造する「自律」のフェーズ、である。ただし、ここでの「共創」は「Suica」や「Edy」などの電子マネーのように、あらかじめ提供企業から与えられた機能やサービスを、先進ユーザーが有効にすることで創出されるものであり、カスタマイズの域を出ていない。これに対し、ここでの「共創」は、ユーザー経験をつぶさに把握してリアルタイムに顧客価値を提案する、“真の共創”を意図して用いている。
関連サイト
ロボナブル2008年4月特集 「失敗するロボットビジネス 成功するロボットビジネス」
Part3 顧客価値の共創にこそロボットやRTの役割がある -私が考えるロボットビジネスの本命-
ロボットビジネス推進協議会 幹事 石黒 周
http://www.robonable.jp/monthly/2008_04/p3.html